yutaka027’s diary

【閲覧注意】詩的表現の多々

まちがえて気づくこと

‪学ぶと、愛という字を書きまちがえた‬


‪子どもはすり傷をつけられて、愛を学ぶ‬

‪すり傷を負わなかった子どもは大人になっても、愛を知らない‬

‪すり傷以上の傷を‬
‪負ってしまったら‬
‪刃物を持って愛を裂いてしまう‬
‪だから‬
‪守ってくれ‬
‪静脈が流れたその手で‬
‪抱いてくれ‬
‪冷たくてもいい‬
‪素手で‬
‪抱いてくれ‬

‪また一から学んでやる

 

猫になりたい

行かないでって泣かないで
愛され方を
知っているから

このひとりぼっちが
言ってることよ
あなたは
愛という
ものを
知り尽くしている
 

墓地の前で誰かがくるの
ずっと
待っている
不吉だって
言われるの
それも愛なのかしら
 

本当の部分は
そのびっしりついた
目やに
その他は全て
壊れそうな
無数の愛の
集合体
 
愛され方を知らない
人間が
愛し方など
知るはずもないと
そう
しんじてた
もう死んじゃっても
いいや

わたしはあなたを
愛せた

もう死んじゃっても
いいや

 

空の色

その頃、死にたいと思うようになっていた。

 

なにもすることもなく、あてもなく、ただ日々を潰すように生きているだけだった。
無。結局いつも音もなくすぐそばに現れるのは永遠とも言える無力感だった。しかしどんなに無力でも生きなきゃいけない、と生まれた瞬間から何者からかに決められてしまったのだ。なにがなんでも生きなきゃいけない。

 

死ぬことに苦痛がなかったとするならば生きることに満足がいかない人びとは簡単な理由でみんな死んでしまい、世界人口が下がってしまうだろう。そもそもなぜ人間が地球を制しているのかも謎なのだがそこまで掘り下げたら本題とそれてしまう。

 

そんなことを力なくぼうっと考えながらまだ日差しの鋭さが残るよく晴れた秋空の下、あてもなく水色の自転車を漕ぎ回す。

この自転車は小学生三年の頃、母が近くのスーパーに行くときに乗っていたもので、今はなぜかわたしのものになっている。ところどころ水色の塗料は剥がれてきて、十数年の歳月の中で刻み込まれた無数の傷。そこにはどの時代も経験してきた老人の脳のシワみたいに人生のノウハウとか、知恵袋とかそんなものがたくさん詰まっていそうな気がした。そんな古ぼけた自転車だけど、手荒なわたしが乗っているのにも関わらず数回壊れただけで持ちがいいのだ。

 

このごろは集中力がこれでもかというほどになくなってしまった。図書館で本を読んでいても、体の向きを何回も変えながら他の人よりも落ち着かない様子で、以前は集中していてお腹が空いてることも忘れるほどだったのに、今やすぐになる腹の音で集中が切れてしまう。それでいよいよ活字にも集中できなくなってきたのだ。
どこにいても集中は続いていたのに今は集中できる場所はどこだろう、と探してその判断力もすっかり衰えてしまい、図書館を出て結局あてもなくふらふらと自転車でサイクリングし(サイクリングとか散歩やドライブって言葉は便利だ。これだけで全うに時間を使っている気分になる。)、にぎやかな日曜の公園に出た。


明らかに普段より格段と盛り上がっているわけはただ子供とお父さんがキャッチボールしていたり、女の子たちが鳩に向かってシャボン玉を吹いてきゃあきゃあしていたり、トイプードルの軍団が一気にドッグランに入っていくからじゃない。小さな地元の音楽フェスをやっていたのだ。
フェスを出来るほどの広大な公園で、そのフェスを取り囲むように屋台が並びビールやケバブ、焼きそばが売られていたおかげで人の集まりそうにないグループの演奏も熱気とノリでより一層盛り上がりを見せていた。


サングラスをかけた片手にビールを持った親父はイカ焼きの表面みたいに日に焼けた肌が横に伸び、黄色い歯を見せながら陽気に笑っていた。横の子供はポップコーンを口に入れながら退屈そうに近くのアイス売り場を見ていた。
全く知らない音楽が流れている中を自転車でさらさら通り抜け、適当な方角に走った。


ついたところは大学近くの公園だった。さっきよりもいっきに規模の小さいこじんまりとした公園。生活の音が微かにこだまする住宅街の中の公園。屋根のついた休憩場のベンチにはホームレスが寝転がっていた。いつも公園のいちばん端の目立たないベンチに座る。

 

 

なんでここにいるのだろう

と青い空を見上げながら。

スリキズ

きみはぼくにとっての
何がいい
ぼくはきみにとっての
キャラメルがいい

 

甘くて溶けて
どこかに
なくなっていくだけの
存在でいいよ

 

きみはぼくにとっての
何がいい
ぼくは
ほんとうのことをいえば
きみの吸う
煙草になりたくて

 

さらさらの灰になって
きみの部屋を漂って
わすれないでいてくれよ
と叫んでいるけど

 

部屋から出ていってしまう
ぼくはきみの煙草にも
けっきょく
なれない
空気にも
なれない

 

 

やっぱキャラメルがいいよ
コンビニで
君が買う
表面は無数に
切り込みの入った
キャラメルだ

それくらいがちょうどいい

夢だよ

ぼくは母と手をつないで歩いていた。母の手を強く強く握りしめていた。
空は大気の汚れで黄ばんで濁り、きびだんごのような色をしていた。晴れているのか、曇っているのかわからない。暑くも寒くもなく、ただ生ぬるい風が二人の間を通り過ぎていく。
ここは大都会のようだ。変な形のビルがたくさん立っている。でも不思議なことに人があまりいない。大都会ならサラリーマンとか観光を楽しんでいる人とかで賑わっているはずなのに。今の時点で目に映るのはくたびれた背広を重そうに身にまといながらため息を何回もしているおじさんと十メートル先にある、今にも壊れそうな木のベンチに腰掛けている松葉杖を持ったおばあさん。
「なんかきもち悪い」ぼくはうつむいたまま母に言った。
母とぼくは近くの変な形のビルの中に入ることにした。
そこは外とは裏腹に営業マンたちがたくさんいて、売上を競い合ってる。そさっきよりも強く、母の手を握った。
ビルの中の人たちはみんな必死そうで怖い顔をしていた。だから外に出た。
 しばらく歩いていると、道沿いに花壇があり、白いパンジーが咲いていた。潤んだ花びらにはまだ水滴がついていて、宝石みたいに綺麗だった。となりの花壇も覗いてみるとまたちがう光景が広がった。ぼくは言葉を失ってしまった。黄色いパンジーが咲いているのだが、水を明らかにあげ過ぎていて土が浮いてしまっている。それにパンジーの体内水分が飽和し、葉はげんなりし、茎はすっかり首を曲げている。
「こんなことしたの、だれだ」ぼくは思わず叫んだ。
するとどこかから、機械の音が聞こえるのに気がついた。花に気が取られていたが、きっとさっきから鳴っていたと思う。キキキキとかチリチリじゃなくて、もっと人間の動きに近い、グググっていう鈍い動作の音。
振り返るとそこには花に水をやる、動くロボットがこちらを見ていた。
 「あっ」
ぼくは小さく悲鳴をあげた。
離れることなくずっと手を繋いでいたくせに、見ていなかった母の顔を見てさらに叫んだ。それからは記憶がない。

目を覚ますと体中に汗をかいていた。そしてぼくは何十年後かの歪んだ世界を見てしまった。イライラした人間がたくさんいてロボットがそれを解決するという、なんとも不条理な世の中だった。そしてなにを信じていいのかわからなくなった。そして自分すらなんなのかわからなくなっている。
 最近の日本は画一化が進んでいる。それは義務教育に問題がある。みんな同じ制服で同じ椅子に座り、同じ机で同じ勉強をする。その中でほんの少しでもルールから反すれば罰せられる、ということまでも教育の一環なのであり、守らねばならない。そして自分の得になるニュースにだけ食いつく。不都合になればポイ捨て。人のことなんてどうでもいい。結果、自分のことだけにしか興味が持てない人間が大量に増える。この世の中で、唯一信じられるものといえば、音楽と文学くらいしかない。

ウィンナーコーヒーの唄

初恋の相手は 

ウィンナーコーヒー
橙の明かりで
照らされただけの
店内に白い色の君

初恋の相手は
ウィンナーコーヒー
飲み方がわからなくて
必死にぐぐってみても
結局うまい飲み方が
わからないのは
まるで
恋してるときの
葛藤だ
そうこういってるうちに
ホイップが
どんどん小さくなってって
消えていく

もう時間だわ
さようなら

かわいい君がたまに着てくる
白いすその広がった
ワンピース
初めて飲んだ
ぼくの初恋に似ていて
胸がいたいよ
おねがいだから

もうどこにも
行かないで
初恋の相手は
ウィンナーコーヒー

 

夢で見た世界


店長の電話で始まった。
山田さんと今井くんとでノーゲスだからご飯を作って食べていた
電話が鳴ったからでたんだけど店長の声がなかなか聞こえない
とりあえずきり、また電話がなったから
受話器を取った
しかし上手く聞こえない
こちらから今度はかけたがなかなかつながらずしばらくそのままでいたら店長本人が店に帰ってきた
受話器を耳に挟みイラついた様子で、見たことないヘルプの人を何人か連れながら店に入った
その店はむかし住んでたやま平の中とそっくりだった
慌てて私らは食うのをやめ、仕事をはじめる
そこでヘルプの女の子たちとなにかはなす
何を話したかはなにも覚えていない

そこで今度は舞台は同じやま平でちがうストーリーが始まる
きっと山田さんと今井くんたちが両親と代わる。そして昔生きていたばあばがでてくる。
ご飯を作って食べるのを待ってたんだ。3人は。多分ばあばの帰りを待っていたのかもしれない
秋の夜静かな家の中、風が窓の隙間を通ってひゅうと薄気味悪い音が背筋をなぞる
その風が吹くたびに別になにかの気配を感じてしまう
私は食卓から立ち上がり、不気味なほうへ近づいていく
窓の鍵を閉め、扉の鍵を閉め、これでもかと入念にチェックしてからまた席についた。
しかし何度も何度もせわしなく音は徐々に回数が増え、気配はゆっくりと近づいてくる
ばあばが部屋に戻ってきて、食卓ではない玄関近くの部屋にいるとき
そこで気配は正体を明かしたのだろう
私は別の部屋から外に出て玄関の施錠を確かめた
鍵は昔からこのような状態でしたと言わんばかりにごく自然な様子で開いていた
私はひどく混乱していた
もう一回食卓に戻りばあばのいる部屋を心配そうに眺めることしかできなくて、耳をそばだてながら見ていた
やけにその中は静かで我慢できなくなった私はついにその部屋を開けた
中のばあばは無傷で窓のそばで伸びをした後ぼんやりと立っていた
窓は開いていた
きっと気配に命令されて開けたのだろうと勝手に想像した
いつもと代わる様子はなくまったりとした様子だった
部屋の中もなにも変化はなく、同じ記憶をまた繰り返すだけで今日という日を通り過ぎようとしていた、無理やり
本当は部屋は知っている
その中で何が起こったのか、鮮やかに覚えているんだ
でも今もなお平然としてなかったことのようにしようとしている
このままここにいたら危険だ
と本能的な感覚が全身に流れた
ばあばがきっとこんなになにも動ぜずに穏やかなのは理由がある
無理やり動かしたくはなかったし、ばあばの家なのでわたしは彼女を置いて両親とともに部屋を出た
絶対にその気配に見つかってはいけないと半ば宿命的に完全な意思としてわたしの中に埋め込まれる
それは両親にも入っていったようだった
必死に走り逃げまくる
近くの団地に逃げ込んだ
私と両親は走っている途中に別れてしまった
大丈夫だから、また合流しよう
そう言葉を残して走っていったその後ろには気配がすぐ側にあった
両親のほうについたため、わたしはうまく巻けた
団地の子供のものだろう鍵のかかっていない自転車を盗み、これでここから少しでも遠くに行こうと逃げた
ハンドルがフニャフニャ曲がってしまい上手く握れないからスピードが出しづらい
足も重力がなくなったように軽くなり力が入らない
しかしわたしは漕ぎ続ける
そして脳内に連絡が入った
両親を捕まえた、と
この団地の一室に収容しておいた
食料はなにもなく一切出られないようにしてあると、
父はそこにはいなく、派遣としてどこかに送られ働かされているようだ
わたしはそいつから逃げるため少しでも遠くに移動しながらもなんとか母のめんどうを見るため1日1回、気配が眠る朝の4時から7時の間に母の元へ帰った
その時から団地に入ると体が宙に浮いて空を自由に移動する事が可能になった
団地の裏を回りベランダ側につくと体を宙に浮かせ、母がどこにいるかを探した4:20
住人はすっかり寝ていた、母は奥の塔の最上階に居た
角部屋で部屋はガランとなにもなく、白いかべに白い床で電気はついていなかったまるで牢屋だ
部屋は綺麗で火事をする用事もなくて、母は体力もほぼなくなってきているから白い床に崩れるように座ってから一度も動いてないかのようにずっと同じ体勢で張り付いていた
しかし生きるために一生懸命だったから目は弱りながらもまだ一筋光が見えた
そして必ずわたしが帰ってくることを糧に生きていた
わたしは外から食べ物や飲料を母に届けた
わたし自身は決して母のいる部屋に入ることはできない
同じ布団に入り温もりを分けあいながら眠ることもできなかった
ただ、お互いの安否確認を窓辺ですることが私たちの心を落ち着かせる唯一の救いであり、楽しみだった
その日はちょっと母の元にいる時間が長くなって既に6時前だった
早く出ないと他の階の住人が起き始め、体を宙に浮かせながら移動しているわたしの姿を住人に見られてしまうから
その前に住人のベランダに上がり込み必要なものや食べ物などをまどの外から盗んでそれを母に届けなければならない
わたしは体を浮かしながら下の階に移動した
部屋の中はどの部屋もカーテンがなく、中が丸見えだった
部屋は電気が消えていた
窓はとても薄くできていてわたしの場合手を伸ばすとぐにゃりとそこがスライムのように曲がり腕が貫通するから中のものが取れてしまう
人が安らかに眠っている音が聞こえた
ひとまず落ち着くとひどく喉が乾いていたことに気づく
ベランダにある、花に水をやる用の水なのか犬の飲み水なのか、もしくは雨水が溜まったものなのか一目見て判断し難い入れ物に溜まった綺麗ではない水を飲み干した
その横のペットボトルに入った水を母用に持った
花は小さくてピンクと紫とオレンジが綺麗に咲いていた
それから斜め右に降りると窓近くに子供が寝ていてすこしひびった
こんなにも人間の気配が恐ろしいと感じたことはない
起こさないようにと動作を注意深くさっきよりも丁寧な動きにした
その家では取れるものがなかったのでさらに下へ降りる
するとその階のベランダにはパンケーキが何枚か落ちていたのですかさず拾った
もう充分だから上に戻ろうとした時だった
中の人々が動き始めた
急いで上に上がろうとしたが上に上がる動作より下に下がる動作の方が目に留まりにくいと思ったのか下に下がった
どの階の住人も起き始め、わたしはさらに鼓動が早くなる
こんなに恐怖を味わったことはない
赤ちゃんと目があった もうだめだと思ったけど泣かずに面白がって見つめているだけだったから深く赤ちゃんに感謝した
一番下に着くと表に回り、また上にいっきに上がってその状態で裏に回り母のところに戻った
用をすませるとわたしは表に回るとまた一階に下りチャリを盗んでなるべく遠くに移動する旅に出た

 

夢日記ってやつです。起きてからも鮮明だったので記録。